天空の城砦

蝦夷 志苔館

志苔館(しのりやかた)

志苔館遠望

【続日本百名城:101】
【構造:平山城】
【築城:不明 廃城:長禄元年(1457)】
【主な城主:小林氏】
【遺構:曲輪、土塁、堀】【国指定史跡】
【地図:渡島半島】
≪登城日:令和元年12月1日≫

 道南十二館のひとつにあたり、渡島半島西側の花沢館からはじまる館群から数えて、最後の12館目の城郭になります。
 渡島半島のアイヌ人たちの蜂起で有名な「コシャマインの戦い(長禄元年(1457))」は、前年に発生した志苔館付近でおきた 和人が営む鍛冶屋と、客であるアイヌの男性の間に起きた口論から殺人事件へとエスカレートしたことが発端になります。
 その際、志苔館は同年5月14日にアイヌ人達の蜂起により陥落したとあります。

志苔館の遺構

 タイトルの写真は遠景ですが手前に志海苔川(しのりがわ)が流れ、天然の水堀を呈しています。
この志苔館、登城する前は平面的な印象でしたが、実際は土塁や堀の深さなど規模の大きい城郭でした。
下の写真は、函館空港から車で空港下のトンネル(通称:お化けトンネル)を潜り志苔館入り口付近から仰ぎ見るなり 一変で印象が変わりました。
井戸跡

函館山

井戸跡  志苔館で一番印象に残ったのは西側に臨む函館山です。時代を乗り越え近現代に起こった箱館戦争は、この志苔館からどのような光景が見えたのでしょうか。
 続日本百名城に選定されなければ訪れることはなかったかもしれない志苔館。起伏のある規模の大きな館跡であること。道南十二館のひとつであること。歴史的な出来事に起因することが選定理由なのでしょうか。
 対となる道南十二館の西から1番目にあたる上之国勝山館が続百名城102となることから、バランスが取れたようにも思えます。

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